[セレナイアの手記]
ビスク港の塔から突き出た棒の謎を探る私は 一旦塔から離れて、塔と同じ時代に作られたものを探すことにした。
同じ時代のものかどうかは、建物の特徴を見れば想像できる。 石造りの土台に、黄色っぽいレンガで建てられていること。 レンガは全体的に苔生していることと、緑っぽい石が装飾に使われていること。
この特徴が一番よく出ているのは、ビスクを取り囲む外壁と それから、イルミナ様の居城。
よし、お城にいこう！
お城に行くには、ビスク一番の繁華街、西エリアを抜けていく。 ここの中心はテオ・サート広場っていう石畳の四角い場所で 鍛冶屋さんや仕立て屋さん、それに食べ物屋さんが揃う。
食べ物屋さんは、「食べ物屋通り」と呼ばれるほど お肉に魚にパン、お菓子やドリンクなんかがよりどりみどりで あ、今日はサイコロ・ステーキが出てるんだ！
...なんとか誘惑に打ち勝った私はえらいと思う。 広場を抜けて、階段を上った先には銀行がある。 銀行からさらに北に向かうと、大きな魔法陣がある広場に出た。 １０メートル四方くらいあるこの大きな魔法陣も気になるけど これはまた今度にしよう。
ここから城壁を抜ければ、目指すお城のあるイプスにたどり着く。 でも、私は見つけてしまった。どうしても見逃すことのできないものを。
壁から突き出た棒！！
港の塔よりずいぶん小さいけれど 斜め上向きに固定された様子はそっくりだ。
しかも、同じものが門の両脇に備えられている。 このサイズなら、どう使われていたのかわかるような気がする。
これ、旗を掲げていたんじゃない？
例えば、歴史会に出会った東エリアから街の外に出る門には こんな風にビスクの旗が掲げられている。
西エリアから街の外に出る門には、赤い旗が掲げられている。
お城も城壁の外側にあることを考えると 街と外の境界を繋ぐ門には、旗を掲げるんじゃないかな？
と、ここでもう一つ考えないといけないんだった。 おそらく、港の塔や城壁が築かれたのはエルガディンの時代。 っていうことは、エルガディンにも似たような文化がないといけないよね。
エルガディンの拠点をいくつか回ってみると あったよ！旗！
ここはエルガディンが騎竜の繁殖を行っている竜の砦。 その入り口に、砦の外側と内側、合計4枚の旗が掲げられている。
これで仮説が立てられそうね。 ・港の塔には、エルガディンの巨大な旗が掲げられていた ・旗が潮風に煽られすぎないように重りが吊り下げられた鎖で繋いでいた
想像すると、すごく威容が感じられる光景だったんじゃないかな。 でも、どうしてビスクは真似しなかったんだろう？
