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エルアン文明研究会

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魂の束縛者

[セレナイアの手記]

魂について知るには、死んでみるのが一番。 こんなことを軽々しく言えるのもこのダイアロス島くらいじゃないかな。

息を止めてあっさり自殺した私は、今魂が身体から離れた状態になっている。 前に書いたように、魂はこの土地に縛られているから 天国や地獄にいくこともなく、自由に動き回ることができる。

食べ物屋の店員やガードの兵士とか、街の人たちには魂が見えないし 話しかけても聞こえないから答えてくれない。 稀に、驚いたような反応をする人もいるのだけど、霊感が強いのかな?

ラルファク教の大神官、ミスト様であっても魂は見えないらしく 話しかけても応えてはくれなかった。

唯一、魂を見分け、話ができるのはソウルバインダーの人たちだけ。 この人たちは、モラ族のソウルバインダーを除いてみんなマブ教徒らしい。

じゃあ、マブ教徒なら魂が見えるのかと思って 彼らの本拠地、ムトゥーム地下墓地に行ってみたのだけれど ここでもソウルバインダー以外は、それがギルドマスターや高位の神官であっても 魂の私に反応してくれる人はいなかった。 もっとも、この人達はあえて無視しているという可能性も否定しきれないのだけど…

モラ族はどうかな? 残念、イーノス村長でさえ、魂でお話することはできなかった。

一方で私たち、モラ族に蘇生してもらった旅人は 自分以外の魂の存在をなんとなく感じることができる。 見えるわけじゃないけど、そこにいるっていうのが分かる。 モラ族自身はそうじゃなさそうなのに、私たちはなんでわかるんだろう?

あとは…朧げな記憶の中に響く声、それは、女王イルミナ様のお声? イルミナ様は、人の魂に直接語り掛けることができるのかな。 あの声は、いつ、どこで聞いたのだっけ。