本サイトはMMO「Master of Epic」の非公式ファンサイトです。
サイト内の内容はプレイヤーが独自に想像、考察した内容を含み、「Master of Epic」公式のものではありません。
また、本サイトに記載されるスクリーンショットなどの画像や
ダイアロスの世界観・固有名詞などについて以下の著作権上の注意をご確認ください。

(C)MOE K.K. (C)Konami Digital Entertainment 株式会社MOE及び
株式会社コナミデジタルエンタテインメントの著作権を侵害する行為は禁止されています。

エルアン文明研究会

毎週火曜日・土曜日 23:00~ Pearlサーバー レクスール城門南の小部屋 で開催中
誰でもお気軽にお越しください!

良いコグニートと悪いコグニート 07

[ウィッチブレードのひとりごと]

会長にセレナイアさんと呼ばれたコグニートは、会場の前のほうにゆっくりと歩いていく。 私は彼女の背中をにらみつけた。 一体何を話すつもりなのだろう? 発表会の案内には、ビスク港の塔についての話だと書いてあった。 ビスク港には塔なんて無いのに・・・。 何を話すかわかったもんじゃない。 悪いコグニートにだまされないよう気をつけなくちゃいけない。 私は気を引きしめた。

発表が始まると、案の定彼女はおかしなことを言い始めた。 ビスク港にある灯台と呼ばれている建物は、実は灯台ではないのだという。 それを聞いて私は思わずふきだしそうになった。 あの建物が灯台であることは、広場で遊んでいる子供たちだって知っている。 建物の中で窯を炊き、その光であたりを照らしているんだ。 こんな話では子供だってだませやしないのに。 いったい彼女の目的は何だろう?

私がそう考えていると、彼女はミーリム海岸の灯台との比較を始めた。 立地の違いや、建物の構造の違いなどを一通り説明した後、彼女は2枚の写真を黒板に貼り出した。 海岸の灯台と港の灯台を夜中に撮影したものだという。 ミーリム海岸の灯台は光を放っているのに、ビスク港の灯台は光を放っていない。 一番後ろの席からでも、それがはっきりと見える。 会場がざわつき始めた。 そんな会場の雰囲気を確かめるように、彼女はあたりをゆっくりと見回した。 そして、会場全体によく聞こえるようなはっきりとした声で、ビスク港の灯台灯台の役目をはたしていません、と言った。

あれ? これはいったいどういうことだろう? 私は混乱していた。 ビスク港の灯台が光を放っていないというのは本当だろうか? それとも嘘なのだろうか? そんな私の心を見透かしたように、彼女は私のほうに目を向けた。 そして私と目が合うと、にっこりと微笑みかけてきた。 私はその笑顔に見とれてしまった。 こんなに笑顔が素敵なコグニートには、今まで会ったことがない。 心の醜い人が、こんな素敵な笑顔をしているはずがない。

その瞬間、私にはわかった。 この人は普通のコグニートとは違う。 この人は悪いコグニートじゃない。 良いコグニートだ。

つづく