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エルアン文明研究会

毎週火曜日・土曜日 23:00~ Pearlサーバー レクスール城門南の小部屋 で開催中
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Page064 信じる神:力への渇望

[カザヒシのメモ帳]

よりモラ族の話を聞くため、今度はモラ族の村、ヌブールへやってきた。 少し雨が降っているが、小雨だし、雨宿りしながらメモを書く。 同じモラ族の村だけあって、建物の作りや雰囲気が似ている。 ここも、穏やかで静かな場所だ。自然が多く、石造りの建物に、木の扉。 モラ族は、こういう場所を好むようだ。

雨が止んできたところで、さっそく聞きこみ調査をしてみる。 モラ族の村だけあって、隠れ里ネヤよりも多くのモラ族を見かける。 他の場所ではまず見かけることがない、モラ族の子供も村の中で遊んでいた。 その中で、とある女性が口にしたことが、私は気になった。

「はるか遠い昔、モラ族は  高度な文明を誇っていました…

 …ですが、謎の災厄と言われるアクシデントで  その全てを失ってしまったのです…

 その後、他の種族から2度も迫害されましたが

 無力な私たちは、なす術がありませんでした…

 こんなこと、誰にも言えませんが…  少しだけ イーゴ(Igo) の気持ちが分かるのです。

 私たちにもっと 強い力 があれば…  同胞の涙も、血も流れなかっただろうに…」

古代モラ族が島にいた頃、ノア・ストーン、アルター、様々な文明を生みだした。 その後、全てを失ってしまい、そしてノア・ストーンの呪いによって、今の姿になった。 二度の迫害…というのは、かつてのエルガディンと、二度目はビスクを指すのだろうか?

そうして迫害を受けても、モラ族は何もできず、島の辺境へと逃げるしかなかった。 彼らの同胞であったイーゴ様は、その無力さに失望したという。 そしてヌブールの村を去り、強い力を求め、闇の力を得た。 その後、マブ教の開祖を暗殺し、現在は教祖となっているという訳だ。

ヌブールの村の住人からすれば、かつての仲間が邪神に心を開き、 力を求め続けた揚句、闇に染まった宗教団体の教祖となっているのだ。

色々と思うところがあるだろう。

彼女はひっそりと、イーゴの気持ちがわかると言った。 何度も迫害を受けてなお、逃げることしかできなかった同族。 もしも、自分たちに力があれば、仲間を殺されずに済んだかもしれない。 島の片隅でひっそりと暮らすような生活でない選択も、出来たかも知れない。

力さえあれば、もっと自由でいられたかもしれない。 『力こそ、真理。』マブ教徒達が口にしていたその言葉は、 無力であった同族への失望であり、イーゴ様がかつて持っていた力への渇望そのものだ。 その強い思いこそが、今のマブ教を作り、信者を導いているのだろう。

力があれば、どうにかできたかもしれない。過ぎたことを言っても、今は変わらない。 けれど、過去から学ぶことはできる。 力を得るために手段を選ばないという選択は、イーゴ様がモラ族の歴史から学んだことなのだろう。