[ガブたまねぎの目に沁みたい話]
太古の昔、古代モラ族が箱舟に乗ってダイアロス島へやって来て、「エルアン人」と呼ばれる種族を形作りました。この「エルアン人」がホム種族の起源です。 謎の災厄が起きて古代モラ族が力を失った後、エルアン人の賢王は世界を崩壊に導いていた原初の力を制御する方法を発見し、エルアン人の文明は繁栄の時代を迎えます。しかし繁栄は永遠には続かず、強大な原初の力を巡る争いが原因でエルアン文明は消滅し、現在では記憶の奥底に沈んでしまった存在となってしまっています。この辺の話はラスレオ大聖堂の資料室で読むことが出来ます。
古代モラ族がやってきたのがおよそ1万3000年前ですから、謎の災厄が起きたのがこれから数千年ぐらい後だとしましょう。ヌブールの村に居るクウェルクの話によれば、古代エルガディン人とモラ・サスール連合の戦争が起きたのが5,6000年前ですから、その間のおよそ5000年ぐらいでエルアン文明は勃興し、消滅したことになります。 （詳しい年表はエル研wikiにも書いてあります） この時代を仮に「エルアン時代」と呼ぶことにします。残っているエルアン人の亡霊の姿が皆ホム種族のものであることから、エルアン時代の主人公はホム種族だったと考えられています。
エルアン文明が残している遺跡などを見ると、非常に高度な技術力を有していたことがうかがえます。ノアストーンの制御はできなかったと思われますが、ホムンクルスの技術や機械・建築技術については、イーゴが欲しがるぐらいですから、古代モラ族と同じような水準の技術を持っていたのではないでしょうか。実際優れたエルアン人は古代モラと一緒に世界を形作るほどの存在だったようです。
ところで大陸の君主ドラキア皇帝は、島から生きて帰ってきた者の話を聞き、島への侵攻を決意した訳ですから、大陸ではダイアロス島についての詳しい知識はあまり広まっていないようです。ゲームを起動すると島の説明をするムービーが流れますが、これも伝説というレベルのものですしね。少なくとも大陸の庶民の間ではダイアロス島は伝説の存在というレベルのもののはずです。
（初期のゲームの説明では、ダイアロス島から生きて帰ってきた者はいない、といった説明がなされていましたが、最近はアストレアの沈没船などの存在が出てきたので、この設定はもはや無かったことになっているのかもしれませんが）
ですが大陸には島をルーツに持つはずのホム種族が暮らしています。もし彼らが最近島から渡ってきた存在なのであれば、もっと正確な島の情報が彼らからもたらされているはずです。つまり大陸のホム種族は、かなり昔に島から移民してきた存在で、既にもう島のことなど忘れてしまっているほどに土着した存在なのだろうと思います。
そうなのであれば、大陸へのホム種族の移民はエルアン時代の出来事なのではないでしょうか？天空に神殿を作るほどの文明です。島の嵐を越えることも出来たのではないかと思います。それに強大化した文明なら、他の領土への進出を考えてもおかしくないはずです。
もしくは宮殿がリザードマンによって侵略され文明が滅亡しかけていた時に、命からがら島の外へ脱出したホム種族が大陸に移り住んだ……なんて想像もできると思います。
大陸への移民がエルアン文明の過去の技術を受け継いでいない理由は分かりませんが、長い年月の中で、文明のことや技術のことを忘れてしまうのは現実世界でもよくあることだと思います。 （現代にも考古学者とかが頑張って過去の技術について研究したりしてますし、よくあることなんだろうと思います。適当ですが）
また、そもそも島の存在を知っている人が居なければ大陸の庶民の間に島の伝説が流れているのはおかしいわけで、ホム種族の移民が太古の昔から受け継いできた島の話が、伝説として変化していったと考えることもできるのではないでしょうか。
つまり、現在大陸にいるホム種族はエルアン人の末裔ではないか、ということです。
ここで旅人の話に戻ります。 私は旅人の肉体が大陸と島で変化していないと考えていますが、もしそうなのであれば、旅人として選ばれているのはホム種族に限定されている理由があるはずです。 （もしかしたらホム種族以外の旅人もいるけどモラに蘇生してもらっていないだけなのかもしれませんが、イルミナほどの人物がそんな適当に神託を与える先を選んでいるとは思えないので、ここでは旅人はホム種族に限定されていると考えて進めていきます） ホム種族のみが旅人に選ばれているのは偶然なのではなく、必然的なことだとしたら？
そういうわけで私は「旅人（プレイヤー）はエルアン人の末裔説」を提唱してみてみたいと思います。 次はそう考える根拠をもう少し述べていきます。
