[ウィッチブレードのひとりごと]
忘れちゃう前にエルガディンの調査結果をまとめないといけない。 それはわかってるんだけど、なかなか手につかない。 集中できない理由はわかってる。 この前ビスク港で見たことが気になってるからだ。 机の上にペンを置き、あの日の朝見たことを思い出してみる。 あの女の人は、夜眠れなくて散歩をしているという感じではなかった。 灯台の周りで何か作業をしていたように見えた。 一体何をしてたんだろう?
もやもやしてても仕方がないので、私はビスク港に出かけることにした。 あの場所に行ってみれば、彼女が何をしていたかわかるかもしれない。 私は窓から外をながめ、雨が降りそうにないことを確認してから家を出た。
ビスク港に着いたのはお昼過ぎだった。 セリの時間はとっくに終わり、やや落ち着いた空気が流れている。 私はレランを横目で見ながら灯台に向かうことにした。 港には灯台が二つある。 あの人がいたのは北の灯台だ。 北の灯台は、まわりより一段高いところに建っている。 私は急なスロープを登り、灯台のたもとにたどり着いた。
私はあの人が立っていたあたりから、灯台を見上げてみた。 いつもどおりの灯台だ。 足元や灯台の壁も良く見てみた。 特に変わったところは見られない。 何かあると思ったんだけど。 いったいどういうことなんだろう? 私は少し考えてみたが、答えは出なかった。
顔を上げると、ガードの人が不審そうにこちらを見ているのに気がついた。 私はちょっと恥ずかしくなった。 あやしい人だと思われただろうか? ん?でも・・・。 あの人が何をしていたか、ガードの人なら近くで見ていたんじゃないかな?
私はガードの人に話しかけてみることにした。