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エルアン文明研究会

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Page049 信じる神:意思の力

[カザヒシのメモ帳]

アクセル様の話は、私が今までに持っていたビスク人のイメージを変えてしまうほどのものだった。 階級制度のドラキア帝国で平民として生まれながら、ただひたすらに強くあり続けた彼は、 ついにこうして軍を任されるほどの大任と、栄誉ある【キール】の称号を得た。

彼は個人としても軍隊の指揮をさせても強い、ただの『有能な軍人』ではなかった。 野心家なところは見えるものの、現実的で、視野の広い人だった。

街の治安維持、政治、エルガディンに対する軍備。目の前にある問題を彼は全て解決しようとしている。 その上で今目の前にある問題だけでなく、自分が置かれている立場を客観視し、 この先に起こりうることにまでしっかりと目を向けている。 自身が属するドラキア帝国にさえ、信じるに値するかを常に見定めようとしているのだ。

なるほど、確かに彼のような人についていきたいと考えるのも納得だ。 そして彼は、信じる神など初めからいないかのようにこう言った。

“バカな神官どもは、ラル・ファク教を広めるために  この島まで遠征してきたと思っているらしいが……

 …元老院が、そこまで甘い訳ないではないか。

 帝国としての利益を優先させるからこそ  あれだけの軍団を派遣したのだ…”

宗教は人を動かす道具にもなりえる、ということを、 皇帝でさえ熱心な信者だというドラキア帝国で育った彼は理解していた。 彼の置かれた環境だけがそうしたわけではないだろう。きっと彼は、それだけの知識を手に入れたのだ。 おそらく宗教をただの人を扇動するための道具のように考えているのだろう。 結局のところ、帝国の目的はノア・ストーンの力を得ることだと、彼は初めから分かっている。

“武力だけを鍛えている軍人は、嫌いだ。  教養を身につけるために、勉強もしている。”

そう、彼はただ力を身につけるだけではどうにもならないことがあると知っていた。 力と、それを扱う知恵と、それらを正しく使うための心を身につけるべく、彼は多くのこと学んだのだろう。 ドラキアで生まれ育った彼の口から、『ラル・ファク、イル・ファッシーナ』の言葉はなかった。 きっと彼は、目に見えない力になど頼らないのだ。自分が何よりも信じられる自分自身を信じたのだ。

今、彼はまさにビスクを支えている。そしてビスクの、平民の希望と呼ばれる存在でいる。