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エルアン文明研究会

毎週火曜日・土曜日 23:00~ Pearlサーバー レクスール城門南の小部屋 で開催中
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モラが作ったもの

[元銃弾販売員Ctanaの日記]

日暮れが近いのか、アルビーズの森は暗さを増している。 オルヴァンたちの足音とスプリガンの甲高い声が霧の中から聞こえてきて、また霧の中を遠ざかっていく。遠くに見えている火は、スプリガンたちが集落で燃やしているたき火だ。彼らはテントを張り、テントの前でたき火を焚いている。 たき火の光を反射した霧が、そこだけぼんやりオレンジ色に浮かび上がって見えていた。

この森には、スプリガンの燃やしている火の他に、もう2つの火が燃えている。どちらもスプリガンの走り回る地帯にあるのだけど、燃やしているのはスプリガンではなく人だ。彼らはスプリガンたちが居る場所で、たき火を焚き、テントを張り、畑を作っている。

森の南東部にはランダルという名前の洞窟があって、そこにはフォレールギルドがある。 洞窟の入口には弓を持った見張りが居て、オルヴァンが洞窟に近づいてくると矢を射かけてあっという間に退治してしまう。だけど、彼らはスプリガンが来ても攻撃しない。オルヴァンは人の住む場所に近づけてはいけない獣、スプリガンはそうではない者。洞窟の入口を守っている人にとっては、きっとそういう認識なのだろう。

洞窟の中に居る人たちも、入ってきたスプリガンがうろついていても知らん顔だ。どうやら、この森に住む人にとってはスプリガンは危険な相手ではないらしい。 この妖精の名を持つ亜人は、やはり何か特別な存在なのだろうか。

 

「古代モラ族が残したものがいくつかあるわよね」 薄暗い森の中で、賢者さんの白いマントがぼんやり光っている。 魔力を上げるための装備品が、光を放っているせいだ。

「箱舟遺跡、古代遺跡、アルター、ですね」 私の姿は、黒いマントと黒い帽子のせいで闇に溶け込んでいる。

アルターは、以前はもっとたくさんあったのかもしれないけど、今残っているのは5つ」 ぼんやり光りながら、賢者さんは話し始める。

「箱舟遺跡のアルターは、モラたちがこの島に来る前に作られた物だろうから除いているわ。モラがここに来てから作ったアルターという意味ね、5つというのは。 箱舟のを入れると6つになるし、ネヤの隠れ里にあるのを入れると7つに、私たちが最初に流れ着いた海岸で遠くに見えていたのも入れると8つになる。だけど、場所がわからないのでは考えようがないから、ネヤとあの海岸にあるのも除きましょう。ネヤもあの海岸も、どこにあるのか場所がわからないから。 場所がはっきりわかっている、モラがダイアロスに来てから作ったアルターは5つ残っている。これで合ってるわね?」

私は黙ってうなづく。

「その5つのアルターの中で、自由に行き来できるものは4つ。ビスク中央・ムトゥーム地下墓地・ヌブールの村・ネオク山にある物。 もう1つのはちょっと変わっているわよね。エルビン山脈にある物は、箱舟遺跡にある物もそうなんだけど、一度そのアルターに乗らないとそこに行けるようにならない。

モラがそういう風にしているのだろうけど、出て行った者しか来ることができないようになっている。つまり、そこに居た者のためのアルターということね。誰にでも来てもらっては困るというわけ。

あなたにエルビン山脈まで来てもらって聞いたフェイさんの話では、サスールは古代モラ族に代わってノア・ストーンを管理していたのよね。エルビン山脈にノア・ストーンそのものがあったのかどうかはわからないけど、重要な場所だから来られなくしていたというのは普通に考えられることだわ。それは、箱舟遺跡にしても同じこと。ある意味、モラの本拠地でもあったんだもの、外から簡単には来られないようにしていて当然なのかもしれない。

さて、そこで、今残っているアルターの位置なんだけど、ネオク山のアルターはこの島の東の端にあって、ムトゥーム地下墓地は北の端にある。モラが最初に来て本拠地にしていた場所は西のエルビン渓谷。その西の端から島のあちこちへ移動しやすいように、東の端と北の端に、そして、中央部のビスクにアルターを作ったということなんだと思う。

もちろん、古代モラ族がアルターを作ったときには、ネオクの町もムトゥーム墓地もビスクの街もまだ無かっただろうから、何かがある場所に作ったわけではなくて、ただ島を移動するのに都合が良い地点にアルターを作ったというだけ。 この3か所にアルターがあれば、ダイアロス島を移動するためにはほぼ足りるはずなの。

箱舟遺跡のあるエルビン渓谷は古代モラ族の本拠地。エルビン山脈はモラからノア・ストーンの管理を任されたサスールの本拠地。この2つは特別な場所で、他所から簡単には来られないようになっている。 それ以外の場所として、今ビスクの街がある場所と、ムトゥーム地下墓地がある場所と、ネオクの町がある場所にアルターを建設して、島での移動手段にしていたということね。 エルビンからアルターなしで移動しようとすると、ネオクもムトゥームもすごく遠い。この2か所と真ん中のビスクにアルターを作る意味はすごくよくわかるの。

ただ、わからないのはヌブールの村なのよ。あそこにアルターを作った意味がわからないの。 だって、ムトゥーム地下墓地の位置にアルターがあれば、ヌブールの村に作る必要はないでしょう?移動手段としては足りているはずなんだもの。今ヌブールの村に残っているアルターは、何か理由があってわざわざ作ったアルターだとしか考えられないのよ」