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エルアン文明研究会

毎週火曜日・土曜日 23:00~ Pearlサーバー レクスール城門南の小部屋 で開催中
誰でもお気軽にお越しください!

追跡者の影

[セレナイアの手記]

少し前から、誰かに見られているような気がしていた。 今では毎日、はっきりと誰かの視線を感じる。 それは街中で買い物をしているときでも 森の中で散歩をしているときでも 人気のない海岸で魔法の練習をしているときでさえ 背中にまとわりつく人の気配。

前に夜の港を歩き回っていたから 不審に思っていたであろうガードさんに 思い切って話かけてみたりもしたのだけど 心当たりがない、と怪訝な顔をされてしまった。

今日こそ、正体を突き止めなきゃ。

通りの角を曲がるときや、建物に入るとき なるべく意識して物陰から後ろを振り返るようにしてみた。

2,3日頑張ってみたら、それらしき人を一人、見つけた。

人通りの少ない道で、建物の柱の陰に身をひそめる私。 少し離れた街灯の陰から、小さな人影が覗いているのがわかるかな。

ここからでは顔も性別もわからないけど 身体の大きさからみてエルモニー族には違いない。

もっと確信を得るために、私は街の外に飛び出す。 街中じゃなくて、めったに人が通らないようなところで 同じ人がついてくるか試してみよう。

歴史会と出会ったビスクの城門を後にして レクスールヒルズとよばれる丘をどんどん登っていく。

そろそろ適当な木の陰に隠れて振り返ろうかと考えていた矢先 私の目には古びた石壁が飛び込んでくる。 それは、この地域に点在する廃墟だった。

古代の建物の跡なのだろう、天井も床も残っていないのに 壁だけが迷路のように土地を仕切っている。

そうだ! あそこをうまく使えば、追跡者に気づかれないまま はっきりと姿を見ることができるかもしれない。

急がず焦らず、石壁で囲まれた通路に入っていく。 曲がりくねった道を少し進んで、私はそっと機会をうかがう。

ほどなくして、草を踏みしめる足音が聞こえた。 今更ながら、相手が害意を持っていたらどうしよう。 自ら窮地に陥ったとしたらどうしよう。

鼓動の高鳴りを抑えながら、崩れた石壁の陰から おそるおそる顔を覗かせる。

・・・いる!

間違いない、あの人だ。

森の中で動きやすいレンジャーの恰好をした、エルモニー族の女性。 しかも手に持っているのは・・・弓?

とてもまずい。 いざとなったら、離れたところから魔法を撃って戦う覚悟もしたけれど 弓が相手じゃ呪文を唱えている間に撃たれて負ける。

気づかれないうちに、早く逃げなきゃ!

私はゆっくり後ずさると、崩れた石壁の隙間から一目散に逃げ出した。

それから、どこをどう逃げたのか覚えていない。 ただ、気づけばビスクの宿に戻っていて カーテンを閉め切った部屋で、一人膝を抱えて震えていた。