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エルアン文明研究会

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Page029 ガルム回廊調査記録:十年後の橋

[カザヒシのメモ帳]

迂闊だった。十年後のイクシオン達は、私のことなど知らないのだ。 『イクシオンが敵でないなら』ガルム回廊は比較的安全だ。だが時代が違った。 人気のない時間を見計らってWar Ageに行き、アルビーズの森を素早く走り抜け、ガルム回廊に入った。 森は随分静かになっていたが、ガルム回廊は相変わらず多数のイクシオンがいた。

そして、その目は敵意に満ちていた。

縄張りを荒す侵入者としか見られていないことに気付くのがもう少し遅ければ…… 私はあのイクシオン達に取り囲まれていただろう。 危険を察した私には、戦うという選択肢はない。そういう風には鍛えていないのだ。 すぐに猛ダッシュで駆け出し、川へと飛び込み、自然に姿を溶け込ませ、気配を消した。 その後もイクシオンの目を盗み、振りきり、ひたすら隠れ、逃げ、私は走り抜けた。

やっとの思いで目的地が見えたと思ったら、巨大なゴーレムがいた時は肝を冷やした。 とはいえやはりゴーレムでは私の足には追いつけない。 修復された橋を駆け抜け、再び姿を隠し、ゴーレムがこちらを見失うまで待った。 天気は雨だったが、気配や足音を消してくれるという意味では都合が良かった。 そうして私は、かつて崩れていた橋の先にあった木を背もたれにして座っている。 ゴーレム達が橋の手前まで戻ったのを確認し、橋の観察を始めた。

十年後の橋は修理され、誰でも歩いて渡れるようになっていた。 修理と言ってもかつての姿を復元したわけではなく、下に落ちていた橋の残骸はそのままだ。 今はちょうどELG軍があたりを占拠しているらしく、ELG軍の旗が残骸の上に立てられていた。

橋自体はというと、崩れかけていた部分が撤去されていた。 その代わりに、縄と木で足場が作られ、対岸まで橋が届くようにしてある。 あまり重いものが通るとまた崩れてしまいそうにも見えるが、数人で渡る程度なら平気そうだ。

橋の先は、長い長いトンネルになっている。 ひたすら長いトンネルを抜けると、イルヴァーナ渓谷へ辿り着いた。 かつてドワーフの村があったあたりにまで延びいることには驚いた。 この長いトンネルを使えば、ELG軍はイルヴァーナ渓谷からガルム回廊へと侵入ができる。 ビスクを攻め落とす為の道の一つとしては、都合がいいだろう。

十年後に橋を架ける理由と、橋の状態はおおよそわかった。

けれど、それはこの時代だからこその理由ではないだろうか? なんだか少しづつ腑に落ちない部分が浮かんでくる。

人気のない時間を狙ったとはいえ、いつ誰に襲われても文句が言えない場所に変わりはない。 ひとまず、ここを去ってから考えをまとめることにしよう。