[セレナイアの手記]
いつでもどこでも、どんなものでも お待たせせずに、お届けします お代はほんの、お心ばかり
銀行について、調べていたのだけれど アイテムを転送する方法も 中央銀行っぽい何かも見つけることができず 私の調査は正直行き詰ってしまった。
ただ、ダイアロス各地を文字通り飛び回っていると 「転送」についていろいろ考えることになったかな。
ここで言う「転送」っていうのは ある場所から別の場所に、一瞬でモノを運ぶこと。 お金でも、アイテムでも、私たち自身でも。
普段意識しないけれど、「転送」にもいろんな種類があるんだよね。 お金とアイテムを転送する、銀行。 ダイアロス各地を結ぶ、アルター。 自分や他の人を転送する、神秘魔法。 死んでしまった魂を決まった土地に転送する、ソウルバインダー。 魂のもとに死体を転送する、死の魔法。 などなど…
やっぱり魔法使いとしては、魔法のことから考えてみるべきかな。 神秘魔法には転送の魔法が何種類かあって 多少の例外はあるにしても、転送する距離が長く 転送する対象が多くなるほど高度な魔法となっていくし 魔法に必要な触媒とマナも増えていく。
あと、やっぱり自分を転送するより 自分でないものを転送するほうが難しいっぽい。
転送先の場所についてだけど 自分自身の場所や見えてる範囲の他に 土地の「記憶」を使うことができる。
うん、この時点でいろいろ気になってくる！
そして死の魔法。 神秘魔法と違って、転送できるのは１種類だけ。 たとえば崖の下に落ちて死んでしまったりして 死体を回収するのが難しいとき 魂のもとにその人の身体を呼び寄せることができる。 回復魔法のように蘇生をするわけじゃなくて あくまで転送するだけの魔法。
この魔法は魔法使いが死んでしまった人に使うものだから 自分自身に使うことはできないし 呼び寄せる身体も1人分だけだけれど 最上級の回復魔法である蘇生の魔法に比べても 大量の触媒を消費する。
こうしてみると、モノより人 魂より身体、の順で転送が大変になるのかな。
そういえば、ソウルバインダーさんも 魂の転送や、転送場所を変えることは無償でやってくれるけど 魂のもとに身体を呼び寄せるのは、私たちの経験を差し出さないといけない。
どうしよう、転送そのものより魂と身体について気になってきちゃった。
