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エルアン文明研究会

毎週火曜日・土曜日 23:00~ Pearlサーバー レクスール城門南の小部屋 で開催中
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過去の未来

[セレナイアの手記]

私は、この前調べきれずに終わってしまった ムトゥーム地下墓地の謎のオブジェがずっと気になっていた。

他の場所に似たようなものもなくって 推理の手がかりも見つからない。

こういう時は、港で波音を聞きながら考えるに限るよね。 そろそろ日も暮れてきたし、久しぶりに夜の海を眺めにいこう。

ビスクの中央エリアから港に向かう途中の細い路地。 アルケィナが各地にポーターを置いてから すっかりここを通る人は減ってしまったけど 今みたいに急ぐ用事もないときは 体力づくりも兼ねてなるべく歩くようにしている。

いつも寂しい場所だけど、今日はピアノの音色が聞こえてくる。 といっても、その音色も物悲しく 茜色に染まった視界にブルーのベールを被せられたような気分になる。

誰もいない路地の隅で、ピアノを弾いていたのは 私と同じコグニート族の女性だった。 黒っぽい質素な服を身に着けて、黒光りするピアノに向かっている。

彼女は私に気が付くと小さくお辞儀をして無言のまま指を動かし続ける。 郷愁を感じさせる1曲を弾き終えると 今度は立ち上がって、丁寧にお辞儀をしてくれた。

私は雰囲気を壊さないように小さく拍手をして。 「いい曲でした。」と話しかける。 「ありがとう。こんなところで、何かお探し?」 「探しものというわけじゃないのだけど…」 せっかく聞いてくれたのだからと、私は墓地で見た謎のオブジェについて一通り話していた。 彼女は話を聞いて少し遠くの方を眺めると 一言「マブ神祭」とつぶやいた。

マブ神祭…ムトゥーム地下墓地の誰かがそんなことを言っていた気がするけれど あのオブジェと何の関係があるんだろう?

「マブ神祭が、関係あるんですか?」 改めて聞いてみたけれど、次に返された返事は意味不明だった。

「過去の未来が知りたければ、未来から帰った人に聞くといいでしょう。」 過去の、未来?少し考えこんでしまう。

「それって、どういう…えっ!」 顔を上げると、彼女もピアノも忽然と消えていた。 周囲を見渡してみたけど、誰もいない。

過去だとか未来だとかは正直よくわからないけど マブ神祭はきっと何かのヒントだよね。

くるりと踵を反すと、私は新たな手掛かりを求めて 再び明るい街の方に歩んでいった。