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エルアン文明研究会

毎週火曜日・土曜日 23:00~ Pearlサーバー レクスール城門南の小部屋 で開催中
誰でもお気軽にお越しください!

怪物

[元銃弾販売員Ctanaの日記]

数が多い。スルト鉱山のエルアンナイトと同じ物なのだそうだが、視界に入るだけで十体は居る。 片端から倒して進んでも良いのだけれど、私たちは、知覚範囲を狭める魔法をかけてエルアンナイトたちの横をすり抜けて行った。 狭い通路ではあるけれど、そうして抜けて行くのにじゅうぶんな幅はある。

「ここには、バエルは居ないのよ。でも、あれは居る」 そう言いながら賢者さんが指さす通路の先には、緑色の肌をした隻眼の巨人が立っていた。 ギガースだ。ギガースの中でも、かなり身体の大きな種類だ。

「レクスールの川沿いに居るやつがここまで入り込んできたんでしょうか」 私が訊ねると、賢者さんは首を横に振る。

「あの体格で洞窟の中を通り抜けてくるのは大変でしょう。無理にここまで来る必要などないでしょうし、最初からここに居たのではないかしら。つまり、エルアン人の王様がここを封印したときには、あの巨人はここに居たということになるわね」 言いながら、賢者さんは巨人にも魔法をかける。 私たち五人は、巨人に気付かれないように、そっと後ろを通り抜けた。

 

エルアンナイトたちが、エントランスに侵入した者を排除するための衛兵だとしたら、あの緑の巨人もそうなのだろうか。エルアンナイトと一緒に、ここを守っているのかな。

もちろんそれは、エルアン人たちがこの宮殿に住んでいた頃の話。つまり、排除すべき外敵というのは、その当時ダイアロスに住んでいた動物たちということだ。あるいは対亜人、もしくは対魔物。自分たちの宮殿に侵入してくる者を寄せ付けないためのガーディアン。

エルアンナイトと一緒に居るギガースもそのガーディアンの一員なのだとしたら、ギガースもエルアン人に使役される存在だったということになる。 宮殿を守っていた巨人が、宮殿が封印されて無くなったあと、野生化してレクスールとイルヴァーナとネオク高原に生息しているのかもしれない。

それとも、この宮殿が封印される時に、たまたま宮殿内部に入り込んでいたギガースが、そのまま生き残っているだけなのだろうか。 同居人や客人だとは思えないから、たまたま入り込んでいたのだとしたら攻めてきた側なのかもしれない。宮殿に攻め込んできたという亜人と一緒に、あのギガースも入り込んだのかも。

だけど、周りのエルアンナイトたちはギガースを攻撃するそぶりは見せない。彼らが衛兵なのだとしたら、敵とみなされていないあの巨人は、ガーディアンの一員なのだということになる。 火竜神殿にはエルアンナイト、このエルアン宮殿にはエルアンナイトとギガースが衛兵として配置されている。のかな。

「あのギガースが外から入って来たとは思えない。でも、あとからここに入り込んだ者も居るわよ。この先、この回廊の最奥にそれは居る」 そう言う賢者さんに続いて角を曲がると、エルアンナイトたちの向こうに違う姿の者が居た。 鎧を着た太った女性のようだ。

「あれは、バルカー。アマゾネスが年を取ると呪いによってあの姿になると言われている」 ナイトさんがぼそりと言う。

「もっとも、確認した者は居ない。ただそう言われているだけ。そして、バルカーがさらに年を取ると、ああなると言われている」 ナイトさんが指し示す回廊の最奥には、巨大な怪物が居た。 顔はバルカーと似ている。ただ、身体が蝶の幼虫のようだ。

「アマゾネスが年を取るとバルカーになり、さらに年を取るとあのエルーカスになる。呪いによってと言われているけど、そういう設計なのではないかと私は思う。つまり、そういうふうに作られているということ」 ナイトさんは淡々と言葉を継ぐ。

「作られて、って、アマゾネスも作られた生命だということですか?」 私が言うと、あのエルーカスが自然にできた生物に見えるのかとナイトさんは笑った。

「あそこにいるエルーカスたちは、宮殿の封印が解けたあとで入り込んできた。ここの封印が解ける前は、ヴァルグリンドに居たよ。宮殿の外にね。ただ、入り込んできたのは間違いないけど、元々はここの住人だったんじゃないかと私は思う。アマゾネスの生息地はレクスールだけ。それも、ヴァルグリンドの巣穴周辺から黄昏の砦にかけて。つまり、エルアン人の宮殿があった場所の近くだね。宮殿の外を守っていた守備隊が、宮殿が封印されたときに取り残されて外に残った。そういうことなのじゃないかなという気がする」 気がするだけだよ。と付け加えて、ナイトさんは口を閉ざした。必要なこと以外は話さない人のようだ。

「さて。戻りましょうか。あの怪物を狩るのが目的ではないから」 と、賢者さん。ここには見物に来ただけのようだ。

入口まで戻って、すぐ近くの部屋にある転送装置から宮殿の内部に入るらしい。 賢者さんが三人の助っ人を呼んだのは、その先に進むためだった。