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エルアン文明研究会

毎週火曜日・土曜日 23:00~ Pearlサーバー レクスール城門南の小部屋 で開催中
誰でもお気軽にお越しください!

大樹

[元銃弾販売員Ctanaの日記]

その大きな樹が生えているのは、石の壁で囲まれた四角い箱の中のような場所だった。 床も石、天井も石。高い梢に隠れてよく見えないけれど天井の中央部からは光が差し込んでいる。

ここに来るまでの道にも、たくさんの敵が居た。 エントランスに居たものの他に、ダイアロス各地に居るウィスプの仲間のようなチェイサーという空飛ぶ光。そして、置物かと思ったらいきなり動いて襲いかかってきたガーゴイル。どれも、宮殿に入り込もうとする者を排除するためにそこに居るように思えた。

賢王と呼ばれるエルアン人の王様が、はるか昔に時間の流れから切り離したこのエルアン宮殿の中に居る魔物たちは、現代のレクスールに居る動物たちよりも手ごわい敵ばかりだった。 賢者さんが応援を呼んだのも無理はない。私と賢者さんだけではここまでたどり着くこともできなかっただろう。

この中庭と呼ばれる場所からさらに奥、宮殿の内部にも行ってきた。 敵を倒しながら進んで、奥にあった転送装置からここへ戻ってきたところだ。 ここに戻る転送装置があった部屋には、他の場所に飛ぶ転送装置もあるらしいのだけど、私たちだけで行っても勝てないからということで、そちらに行くのはやめにした。

応援に来てくれていた三人は、賢者さんの召喚したアルターに乗って街へと帰って行った。 今、この中庭には私と賢者さんの二人しか居ない。静かに天井から差す光と湧き出して水辺を作る澄んだ水。風も入り込まないので、中央にそびえる大樹は動かない。石でできた大きな箱のようなこの空間は、時間が止まっているような静かさだった。

「あのリザードマンというのが、ここに攻め込んできた亜人なのですね」 私の声だけが、しずかな中庭に響く。 宮殿内部のいたるところに居たトカゲのような姿をした亜人たち。あれがエルアン人の宮殿に攻め込んできた亜人のようだ。中に居る亜人ごと宮殿を時間から切り離さなければならなかったほど手ごわい敵。あのリザードマンたちは、いったいどこから来たのだろう。

「現代のダイアロスでは、ハティル砂漠に居るわね」と賢者さん。 ハティル砂漠というのは、エルビン山脈の東にある砂漠のことだ。 砂嵐の吹き荒れる方位磁石も使えない場所。巨大な虫たちが砂の中に潜む恐ろしい場所。 行ったことはあるけど、あまり奥地までは入り込まなかった。あの砂漠の奥にリザードマンは居るらしい。

「過去に、砂漠からここまで、遠征してきたことがあるということですか」

「そのようね。現代では、リザードマンはハティル砂漠にしか居ない。レクスールにも、ハティルとレクスールの間にも居ないから、ここまで攻めてきた者たちが全て宮殿に入り込んだ時を見計らって宮殿ごと時間から切り離したのでしょう。みごとな手腕だわ。遠征に加わらなかった者たちが今もハティル砂漠に残っているということみたい」 なるほど。砂漠から出てきた亜人たちを、ここで一網打尽にしたということらしい。

「今、この宮殿を支配しているのは、ザハークというエルアン人なの。賢王も宮殿で暮らしていた住人達も今はもう居ない。居るのは、火竜神殿からここにやってきたザハークというエルアン人の魂だけ」 私たちだけでは勝てないからと行かなかった宮殿の最奥。そこに居るのがそのザハークのようだ。

この宮殿内に残っていたリザードマンたちも含めて、エルアンナイトやガーゴイルやチェイサーといったガーディアンを配置しているのは、そのザハークだということみたい。

賢王がここを封印したときからこういう状態ではなかったのだろう。攻め込んで来たリザードマンと今ここの主として君臨しているザハークというエルアン人が、ここをこんなおそろし気な場所にしている。かつてのこの宮殿は、どこもこの中庭のようにおだやかな場所だったのかもしれない。

攻め込んできて、そのまま封印されていたリザードマン。ガーディアンとしてザハークが配置したエルアンナイトやガーゴイルやチェイサー。そして、冷気をまとった巨大な狼と緑色の巨人。 私には、エルアン人と呼ばれる人たちのことがよくわからなくなっていた。 どうやら新しい生命を作り出すことすらできたらしい、謎に包まれた人々。彼らは、ここで、いったいどんな暮らしをしていたのだろう。

おだやかなこの中庭のような場所があるいっぽうで、おそろし気な研究を続けていた者も居る。 そういえば、リザードマンが住んでいるハティル砂漠には、生命の檻と呼ばれている研究施設のようなものもあるらしい。あれもまた、エルアン人たちの施設なのだろうか。

「あなたはバエルとホムンクルスはどちらも古代モラ族の作ったものだと思っているようだけど、私は、バエルとギガースは、エルアン人の作ったものではないかと思っているの」 賢者さんが唐突にそう言う。そして続けて言う。

「それから、アマゾネスも。フロストウルフも。エルアンナイトやガーゴイルも。古代モラ族の作ったホムンクルスが起源だというエルアン人たちが作った生命が、それらのものではないのかな。エルアンナイトやガーゴイルを生命とは呼べないかもしれないけどね」

作られた生命であるエルアン人たちが作った生命たち。どこからどこまでがと線を引くことはむずかしいけれど、アマゾネスのあの変貌をまのあたりにすると、あれが自然にできた生命だとは思えない。作られた生命だとすると、作ったのはモラではなくてエルアン人。生息場所から考えると、そうなのかな。

中庭の中央にそびえる大樹を眺めながら、私はエルアン人たちの姿を思い浮かべてみた。 この中庭には、たくさんのエルアン人たちがいたのだろうか。大樹の下でのんびりくつろいだりお喋りしたり、お昼寝をしたりしていたのだろうか。 彼らは、どんな人たちだったのだろう。