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エルアン文明研究会

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Page034 ガルム回廊調査記録:『時の歪み』

[カザヒシのメモ帳]

ガルム回廊からはるばるエイシス・ケイブまで走ってきたのはいいものの、 イクシオン達もイクシオン達なりに忙しいらしく、あまりちゃんと話を聞けなかった。 タルタロッサの脅威に怯えながら、その脅威を払うための訓練に励み、 ある者たちは戦い、ある者たちは見張り、ある者たちは子供に教育をしていた。

長老のヨルムはあの歪みについて少し教えてくれた。 タルタロッサを恐れ、エイシスを去りガルム回廊へと住みついた一部のイクシオン達は、 ある時あの歪みに気付いた。通常起こり得ない水流の変化が、あの洞窟で渦巻いていたのだ。 歪みは常に発生しているわけではなく、何かの力が強まると歪みが起こるらしい。 長老はそれを『時の歪み』と呼んだ。

そしてその歪みからは、少なくともガルム回廊で見ることのないような化け物が現れた、と。 エイシスを離れるわけにはいかない長老が、信頼のおける旅人に頼み、 その化け物は退治されたが、まだ時折歪みが発生しているため、見張りは続けているそうだ。

化け物は時空を超えてやってきた、ということなのだろうか? イクシオン達も詳しいことを知っているわけではないようで、 正直ここまで来た甲斐があったとは言い難い。仕方ないので、ガルム回廊へ戻ろう。

 

またしても橋の東側、木の上に座り込む。 新しい発見はあったものの、結局なんだかよくわからないことばかりだった。 ひとつ確かなのは、あの洞窟ではなぜか時折時空が歪んでいるということ。 それも一体どういうことなのかはわからないけど……。

正直、もうこれ以上調べられることはない気がしてきた。 時空の歪みがあるといっても、橋との関係はなさそうだし。 調査はこのあたりで終わりかもしれない。

何気なく手持ちの地図に目を向けると、あることに気付いた。 あの歪みのある洞窟は、地図に載っていないのだ。水中の洞窟なんだから、当然かな。 せっかくなのであそこも地図に書き足しておこう。

……おかしなことになった。 これは偶然? 私の記憶違いでないなら こんな繋がりがあるとしたら……

やっぱり、この場所には何かある!