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エルアン文明研究会

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Page068 信じる神:『父の背中を追いかけて』

[カザヒシのメモ帳]

この洞窟にいる人たちは、立った一人の青年を慕って集まったという。 追憶の洞窟。その名に相応しいだけの追憶を持つ青年。それがウォルフガング様だ。

「偉大なるジュネ様の息子、ウォルフガング。  人は俺を見ない。 俺の向こうに、父を見る。

 まぁ、それも当然だ。だが…俺は、辛かった。

 いつも、俺自身を見て欲しい! そう願っていたが…

 父を越える事は…、できなかったようだ…

 ビスクを出たのは、父を亡くしたからではない。  あの戦争に参加した自分が、許せなかったからだ。

 父は、自分の意思で遠征に参加したのだろう。  だが俺は 父の背中を追いかけて来た だけ…

 …父は、ドラキア帝国の野望を知っていたのだろうか?  知っていながら、女・子供すら殺したのだろうか?  俺は、そんな父の姿を、崇拝していたのだろうか…?

 死んでしまった今となっては、答えが見つからない…」

ウォルフガング様自身が体験したことについては、東エリアの老人が語った話をよく覚えている。 十二日間戦争当時、一人の少年であったウォルフガング様は、 確固たる意志を持たずに戦争に参加したのだ。ただ父の背中を追い掛けて、戦場に立った。 そこでドラキアという侵略者から身を守るため抵抗する者たちを、その手で殺した。 殺したことで……自分が何をしたのか、【敵】だと思っていた人たちが、何をしようとしたのか。 それを考えた時、自分が正しいことをしたとは思えなかったのだ。

父であるジュネ様が何を思ってあの戦争に参加したのか。 女子供を殺してまで、何を得られると思っていたのか。 自分が尊敬していた父は本当に、正しい事を行っていたと言えるのか。

「俺は、ダイアロス島に向かう理由を  ごく単純に考えていたんだ。

 戦争好きな悪い王に苦しめられている、民を救いたい!

 そして、ラル・ファク神の愛を、授けたい!

 未開の土地の民を、救わなければならない! と…

 …だが、エルガディン軍と戦っている時に気づいた。

 俺たちは、誰と戦っているんだ?  誰から、何を、奪い去ろうとしているのだ? と。

 大切な物を奪おうとする、ビスク軍と  大切な物を守ろうとする、エルガディン人。

 奪われる者たちの、悲痛な叫び。  俺の心から、耳から、あの声が離れないんだ。」

たとえ神の愛とやらを教えることで、その地の人が将来的に喜ぶとしても、 その前に殺してしまっては、その喜びを素直に享受できるとは思えない。 一方的な侵略戦争など、大きな利益を得るために必要、という程度のことなのかもしれない。

「父が、いつも俺に言っていたことがある。

 【声なきものに、耳をかたむけよ】

 森も、川も、空も、動物も、赤ん坊もそうだ。

 言葉ある者を理解するのは、たやすい。 だが…  言葉なきもの達の、心や息吹 を感じるのは難しい。」

彼の父であるジュネ様は、その戦争の先に、一体何があると感じていたのだろうか?