本サイトはMMO「Master of Epic」の非公式ファンサイトです。
サイト内の内容はプレイヤーが独自に想像、考察した内容を含み、「Master of Epic」公式のものではありません。
また、本サイトに記載されるスクリーンショットなどの画像や
ダイアロスの世界観・固有名詞などについて以下の著作権上の注意をご確認ください。

(C)MOE K.K. (C)Konami Digital Entertainment 株式会社MOE及び
株式会社コナミデジタルエンタテインメントの著作権を侵害する行為は禁止されています。

エルアン文明研究会

毎週火曜日・土曜日 23:00~ Pearlサーバー レクスール城門南の小部屋 で開催中
誰でもお気軽にお越しください!

わたしって、だれ? その2

[ガブたまねぎの目に沁みたい話]

わたしは「新しく生まれ変わった」という言葉を、「再び生を受けた」ぐらいの意味にとらえていた。 でもこの言葉が、本当に言葉通りの意味だとしたら? つまり、わたしの本当の体は深い海の底に沈んでしまっていて、わたしの魂だけが、新しい「人形」に入れられているだけなのではないか。 わたしの知らないうちに、本当のわたしが失われてしまっているかもしれないのだ。

わたしは自らが生み出したこの恐ろしい考えに対抗するために、島に来たときの記憶を必死に呼び覚ました。

 

わたしが、海に投げ出される直前の記憶。これ以前は、いくら頑張っても思い出せない。 長い嵐のなかで疲れていたのだろうか。そのときの景色はぼんやりとしている。 この投げ出された人影が、いまのわたしと同じ肉体だったのかは分からない。 あのときの苦しみは思い出せるけど、いまのわたしの肉体が感じた苦しみなのかは、分からない。

 

その後しばらく頑張って、わたしが海に沈んでいったときの光景を頭の中に見つけることができた。 そうしたら…あっ! これは、わたしだ!間違いない。 わたしの今と同じ体が、海に沈んでいっている。

なーんだ。早くも問題解決か?わたしの杞憂だったのね。 安心安心。 …と、思いたいところだけど、これだけでは不安も残る。 もしかしたらこれは、わたしが島に来るときに「分かりやすいようなイメージ」を勝手に作り出していたのかもしれない。 新しい肉体を構成するためのパーツ選びのシーンが、記憶として残されているだけなのかも。 第一、この記憶には自信がない。もっと確固とした証拠が欲しい。

 

次のシーンは砂浜だ。ここからの記憶は、はっきりと思いだせる。 最初に目覚めたとき、わたしは砂浜の上に寝そべっていた。モラ族がわたしを復活させたらしい。 もしここで、わたしの肉体が以前のものと違っていたのなら、砂浜で目覚めるのはおかしいんじゃないか? 普通、ベッドの上とか、手術台の上とか、祭壇の上とかで目覚めるだろう。魂だけ、安置されている人形に吹き込めばいいだけのはずなのだから。 でも、新しい肉体も一緒に海の中で形作られたと考えることもできるのかなあ。それはちょっと無理があるかな? わたしは期待する答えが有力になってきたことを感じ、うれしくなった。

 

しかし、わたしの高揚感が、急激に萎んでいく事実を見つけてしまった。 わたしは荒波に飲まれて死んだはずなのに、復活した後の肉体には傷ひとつなかった。 傷は、モラ族が気を利かして治してくれていたのかもしれない。でも、傷がなかっただけじゃない。 能力もなかった。わたしには、何も残っていなかった。 まさに「新品同様」の体だったのだ!

 

いてもたってもいられなくなった。 わたしは自分の正体を知るため、各地を巡ってみることにした。 日が昇るとすぐに、わたしは家を飛び出した。

つづく