本サイトはMMO「Master of Epic」の非公式ファンサイトです。
サイト内の内容はプレイヤーが独自に想像、考察した内容を含み、「Master of Epic」公式のものではありません。
また、本サイトに記載されるスクリーンショットなどの画像や
ダイアロスの世界観・固有名詞などについて以下の著作権上の注意をご確認ください。

(C)MOE K.K. (C)Konami Digital Entertainment 株式会社MOE及び
株式会社コナミデジタルエンタテインメントの著作権を侵害する行為は禁止されています。

エルアン文明研究会

毎週火曜日・土曜日 23:00~ Pearlサーバー レクスール城門南の小部屋 で開催中
誰でもお気軽にお越しください!

スルトの毒トカゲ

[元銃弾販売員Ctanaの日記]

「そりゃまあ、そういうこともあるかも知れないけど、ただのあんたの想像にすぎないね」 鍛冶屋さんはそう言って苦笑いした。

「なんにせよ、あの箱舟と古代遺跡が、モラがこのダイアロスにやってきて最初に居た場所であるのは間違いないけどさ」 言いながら、すぐそばに居る大きなトカゲを気にする様子もなく石を掘っている。

エルビン渓谷の北にある山脈。その岩肌にぽっかり開いた洞窟を入って行くと大きな竪穴に出る。 そこから枝分かれした坑道を進むと、ここにしかない珍しい鉱石があるのだ。 竜岩石はここにしかなく、3種類ある竜石は竜岩石からしか手に入れることができない。

古代遺跡を見て回った後、私はこのスルト鉱山へやってきた。今朝家を出るとき、今日は竜石を掘りに行くと言っていた鍛冶屋さんと合流するためだ。

ホムンクルス技術の断片しか記されてなかったのは、まだ研究途中だったから。この古代遺跡でそれが発見されたのは、ここがそのための施設だったから。って言いたいんだろうけど、そうとはかぎらないよ」 掘っていた岩石を壊し終わり、次のを掘りながらそう言う。 まわりには毒トカゲが何匹も居るけど、どれもただボーッと突っ立っている。 鍛冶屋さんのかけた魔法のせいで、辺りがよく見えなくなっているのだ。

「もしかしたら、あの古代遺跡は大きな図書館だったのかもしれないよ。いろんな書物があったなら、ホムンクルスに関する書物があっても不思議はない」 掘り終わった鍛冶屋さんは、そう言いながら次の石がある場所へと走って行く。 そこに居るトカゲたちに手早く魔法をかけ、横をすり抜けて竜岩石にたどり着く。 うまいものだ。さすがに手慣れている。

私が呼び出す怪物なら、この毒トカゲを倒してしまうこともできるのだけど、鍛冶屋さん曰く「目的は鉱石なんだから、無理に倒す必要はない」のだそうだ。 近くで戦うとかえって邪魔することになるので、私は怪物を召喚することもせず、ただ黙ってついて行くだけにしている。

「あの石造りの建物は、図書館っぽいでしょう。凝った造りの石でできた柱とか、平らな広い床とか、図書館ぽいなと私は思うんだけどね」 これもただの私の想像にすぎないよ。と言って笑いながら、鍛冶屋さんは次の場所へと移動する。

「うーん。図書館かぁ。まあ、原形はもうわからないんだから、どういう想像でもできちゃうよね…」 なにもせずにただついて歩きながら、私はぶつぶつと口の中でつぶやく。

「まあ、モラが最初あそこに居たことと、ホムンクルスを創って労働力にしてたことは間違いない。あんたの言う、始まりの地っていうのは合ってるんじゃないかな」 とにかく、モラはあの場所に居た。そして、モラはホムンクルスを創っていた。 ホムンクルスを創る技術は、そのときすでに完成していたのだろうか。

「断片だけが記されてたってのは、変といえば変だね。確かに、断片だけ記すのは意味がわからない。書くのならすべて書くだろうし、発見されたのが断片だったという言い方ではないから、すべてを記してあった古文書の一部が発掘されたというのでもないみたいだし」 そうなのだ。 なぜホムンクルス技術の断片だけが古文書に記されていたのか。それは、その古文書が書かれたときには、まだすべてが記せなかったからではないのだろうか。つまり、ホムンクルス技術はまだ完成していなかった。

「古代遺跡ほど古くはないけど、ここにも遺跡はあるよ」 どっさりと竜石が集められたのか、鍛冶屋さんはツルハシをしまいパンパンと手のほこりを払いながら言う。

「うん。あるね。火竜神殿。この鉱山の奥深くにある」

「行ってみようか。私一人では大変だけど、あんたが居れば神殿まで行ける」 そう言うと、ツルハシから棍棒と盾に持ち替えた鍛冶屋さんは、私の返事も聞かずに走り始めた。