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エルアン文明研究会

毎週火曜日・土曜日 23:00~ Pearlサーバー レクスール城門南の小部屋 で開催中
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エルビンの空の下 03

[ウィッチブレードのひとりごと]

砦を通り過ぎてしばらく歩くと、エルビン渓谷についた。 視界が一気に開け、目の前に緑が広がる。 狭く岩だらけの山道を通ってきただけに、思わずほっとしてしまう。 私は両手を広げ、胸いっぱいに空気を吸い込んだ。 青い草の匂いとともに、香ばしい匂いがただよってくる。 牛の糞の匂いだ。 気分は台無しだけど、こればっかりは仕方がない。 エルビン渓谷には人の数の10倍の牛がいるといわれているんだから。 さあ、スケッチする場所を探そう。 私は気を取り直して、村への道を外れ草原の丘を登り始めた。

牛の落し物を踏んでしまうと切なくなってしまうから、足元には注意して登る。 やがて丘の上に出ると、そこにはテントが張ってあった。 ダーイン山で見たテントよりだいぶ大きい。 50人くらいは楽に寝泊りできそうだ。 テントの入り口には焚き火があり、そのそばに鎧を着た男の人がひとり立っている。 この人はこんな所で何をしているんだろう? 牛でも焼いているのかな?

私は男の人にこんにちはと声をかけて、テントの裏に回った。 ここからならあたり一面が良く見える。 村の方向を眺めると、遠くに大きな滝が見えた。 あの滝を書いてみよう。 私はよく確認してから草の上に腰を下ろした。 バッグを肩から下ろし中から絵の道具を取り出すと、スケッチブックを広げる。

滝や周りの山の形を鉛筆でざっと書いていく。 ふと視線を下ろすと、丘の下のほうに牛が一頭いることに気がついた。 牛は頭を下げゆっくりと口を動かし、足元の草を食べている。 こちらを気にする様子もなく夢中で、でもゆっくりと草を食べている。 やがて牛は頭を上げると、草の味を確かめるようにもぐもぐと口を動かしている。 私は少しの間その様子をじっと見ていた。

そういえば- ここよりもっと山の上のほうにすむ牛たちは、草ではなく山芋を食べていると聞いたことがある。 山芋を食べている牛は、どんな味がするのだろう? やっぱり草を食べている牛とは違う味がするのだろうか? 私が知らないだけで、そんなことは常識なのかもしれない。 今夜泊まる宿の人に聞いてみよう。 どこかに食べ比べとかできるお店があるかもしれない。

そんなことを考えていると、お腹がすいてきてしまった。 ちょっと早いけど、もうお昼ご飯にしてしまおうか? 結局私は我慢できずにバッグから紙袋を取り出した。 牛と一緒にお昼を食べることにしよう。 私は紙袋の中からタマゴサンドを取り出し、それをほおばった。

つづく